

屋久島の山の中 石窯でパンを焼きながら
ゆっくり生活しています
日々 見るものや感じたことを つづります
早いもので、もうすぐ今年が終わる。
今年は、家族の度重なる入院でパン工房も休ませていただくことが
とても多かった。
お陰さまで、ゆっくりさせていただいたのと
あれこれ考えごとをさせていただく時間が持てた。
極端に言うと「生きるってなんだろう」などといったことを
たくさん考えさせられた年になった。
いつも、ただ何となく生きていて
そんなことあまり考える間もなく過ごしてきた。
もうちょっと丁寧に生きなさい
そう投げかけられたのだと思う。
丁寧にしようとすればするほど
また忙しい生活が舞い戻ってきて
何だか複雑だったけれど、足元を見失わないように
気をつけてきた。
私が足元を見失うと、家族に多大なる負担をかけてしまう。
自然栽培のみかんもそう。
愛するみつばちもそう。
丁寧に手をかけて、目で良くみてあげる。
それが、納得行くほど出来なかった今年。
それでも、みつばちもみかんの木も無事だっただけではなく
はつらつと生きていていた。
彼女たち、長い長いスズメバチとの戦いがようやく終わったばかり。
子どもたちがたくさん生まれて、午後は時騒ぎで活気がある。
ポンカンの木もたわわに実をぶら下げて
重たそうにしながら、実を濃いみかん色に染めていく。
自然に染まるその色は、まるで朝日のよう。
ああ、私もこんなに強くいようと
心の底から沸き立つ何かを、じんわり感じるのでした。